マレーシア クアラセランゴール水質調査報告書

写真1
写真1

  JICA草の根技術協力事業に協力するため、平成24年2月7日から14日に、マレーシア クアラセランゴールのSunngai BulohおよびSungai Sembilangで、水質調査を行いました。調査地はいずれも河口に面した集落で、干潟で採取した二枚貝稚貝を少し深い海域に移植し、成長させた後に漁獲する漁業が行われています。移植した二枚貝の多くが死亡(定量的データはないが、聞き取りで30~40%が死亡)し、その原因が水質汚染にあるのではないかという地元の指摘を受け、今回、水質調査を行ったものです。調査地点は干潟で、現地漁民が貝採取に日本の潟スキーそっくりの乗り物を使っていました。(写真1)潟スキーの元祖はどちらなのでしょうか?  

  持参した水質分析キットを用いて、pH、DO、硝酸、亜硝酸態窒素、遊離塩素、界面活性剤、油分などを測定した結果、この地域における河口域の水質汚濁は、主に有機物由来の汚染であり、その結果、漁場の有機汚濁が進み、底質での微生物による有機物分解による酸素消費とそれに伴う低層水の酸素濃度低下が起こっている可能性が考えられました。また、当初考えられていた工場排水などによる有害な化学物質汚染があるかどうかは不明でした。

 

写真2
写真2

  持参した水質分析キットの使用法を現地の行政官に教え、その後の水質モニタリングを託してきました。写真2では当研究室M2の学生が分析指導しているところです。何となくのんびりした雰囲気がこの写真から感じていただけるでしょうか?ところがその時、私の目の端に何やら動く奇怪なものが見えました。

 

 

写真3
写真3

体長が3mほどあるオオトカゲです。

 

素早くカメラを向けて取った写真が写真3です。

 

いままでマレーシアには何回となく来ていますが、このように大きなオオトカゲを見たのは初めてです。

 

勿論、現地の人たちは全く反応していませんでした。

当研究室は、東南アジアの研究者と多くの共同研究を実施しています。今後も、現地の活動を報告します。

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